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新薬開発アップデート

新薬開発アップデート

抗がん剤

MEDICAMENT NEWS 第2208号 2015年9月25日

  新規抗がん剤の申請相次ぐ
  ノバルティスはパイプラインを拡充

 抗がん剤の主な国内開発状況を表にまとめた。
 がん領域の世界では,今年3月にグラクソ・スミスクラインのがん領域事業がノバルティスに移管され,販売中の6製品と開発中のプロジェクトがノバルティスに引き継がれた。

 新製品の承認申請も相次いだ。3月には,ベキサロテン(一般名)が「皮膚T細胞性リンパ腫」を適応症に販売承認を申請した。同剤は2013年に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けている。

 4月には,トラメチニブ(一般名)とダブラフェニブ(一般名)が販売承認を申請。適応は「BRAF遺伝子変異陽性悪性黒色腫」。両剤はグラクソ・スミスクラインによって開発されていたが,今年3月の事業移管でノバルティスに引き継がれた。

 同じく4月に申請された塩化ラジウム-223(一般名)は,強力な殺細胞効果を持つアルファ線を放出する「放射性医薬品」。適応症は「骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」とされた。

 6月には,セリチニブ(一般名)が販売承認を申請。適応は「ALK遺伝子変異陽性非小細胞肺がん」である。同疾患の患者は,国内では年間約2〜5千人の新規発症がある。一般的な非小細胞肺がんと比べて年齢が若く,非喫煙者であることが多いのが特徴。

 8月には,カルフィルゾミブ(一般名)が「多発性骨髄腫」を適応症に販売承認を申請。同剤は,厚生労働省に「希少疾病用医薬品」に指定されている。

 さらに既製品の適応拡大として,タイケルブ(製品名)が「乳がん(アロマターゼ阻害剤併用)」,ハイカムチン(製品名)が「子宮頸がん」,オプジーボ(製品名)が「非小細胞肺がん」,「ネクサバール(製品名)が既存の適応に「甲状腺未分化がん」及び「甲状腺髄様がん」を加えた「甲状腺がん」,ハラヴェン(製品名)が「軟部肉腫」の適応追加申請を提出している。

 

主な抗がん剤の日本国内開発状況(2015年8月現在,順不同)
注)※今年3月にグラクソ・スミスクラインからノバルティスに移管された。
      青字はMedicament News(2015年1月25日号)掲載からの進捗。

発売

開発記号/「製品名」/(一般名) 開発企業 対象
「レンビマ」 エーザイ 甲状腺がん
「ポマリスト」 セルジーン 再発または難治性の多発性骨髄腫
「ゼルボラフ」 中外製薬 悪性黒色腫
「サイラムザ」 日本イーライリリー 切除不能な進行・再発胃がん
「ファリーダック」 ノバルティスファーマ 再発または難治性の多発性骨髄腫
「ヤーボイ」 ブリストル・マイヤーズ 切除不能な悪性黒色腫

 

承認

開発記号/「製品名」/(一般名) 開発企業 対象
「カプレルサ」 アストラゼネカ 甲状腺髄様がん

 

適応追加

開発記号/「製品名」/(一般名) 開発企業 対象
「レザフィリン」 Meiji seikaファルマ 追加=食道がん
「エルプラット」 ヤクルト本社 追加=切除不能な進行・再発胃がん
「ベルケイド」 ヤンセンファーマ 追加=マントル細胞リンパ腫

 

申請

開発記号/「製品名」/(一般名) 開発企業 対象
「ハラヴェン」 エーザイ 追加=軟部肉腫
「オプジーボ」 小野薬品工業 追加=非小細胞肺がん
(カルフィルゾミブ) 小野薬品工業 多発性骨髄腫
「レブラミド」 セルジーン 追加=未治療の多発性骨髄腫
(トラベクテジン) 大鵬薬品工業 悪性軟部腫瘍
「リュープリン」 武田薬品工業 追加=6カ月製剤
(前立腺がん,閉経前乳がん)
「ゼローダ」 中外製薬 追加=胃がん術後補助療法
「ハイカムチン」 日本化薬 追加=子宮頸がん
「ジャカビ」 ノバルティスファーマ 追加=真性多血症
(セリチニブ) ノバルティスファーマ ALK遺伝子変異陽性非小細胞肺がん
「タイケルブ」 ノバルティスファーマ 追加=アロマターゼ阻害剤併用
(乳がん)
(トラメチニブ) ノバルティスファーマ BRAF遺伝子変異陽性悪性黒色腫
(ダブラフェニブ) ノバルティスファーマ BRAF遺伝子変異陽性悪性黒色腫
塩化ラジウム-223 バイエル薬品 骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がん
「ネクサバール」 バイエル薬品 追加=甲状腺がん
(ベキサロテン) ミノファーゲン製薬 皮膚T細胞性リンパ腫
「エルプラット」 ヤクルト本社 追加=胃がん術後補助療法
(イブルチニブ) ヤンセンファーマ 再発難治性の慢性リンパ性白血病,
小リンパ球性リンパ腫

 

 PⅢ

開発記号/「製品名」/(一般名) 開発企業 対象
ASP2215 アステラス製薬 急性骨髄性白血病
「ゴナックス」 アステラス製薬 追加=3カ月製剤(前立腺がん)
MEDI4736 アストラゼネカ 非小細胞肺がん
AZD9291 アストラゼネカ 非小細胞肺がん
ZD6474(バンデタニブ) アストラゼネカ 追加=甲状腺乳頭がんまたは低分化がん
AZD2281(オラパリブ) アストラゼネカ 胃がん,乳がん,卵巣がん
(ベリパリブ) アッヴィ合同会社 非小細胞肺がん
「ハラヴェン」 エーザイ 追加=非小細胞肺がん
「レンビマ」 エーザイ 追加=肝細胞がん
「オプジーボ」 小野薬品工業 追加=胃がん,腎細胞がん,頭頸部がん
ARQ197(チバンチニブ) 協和発酵キリン 肝細胞がん
「ポテリジオ」 協和発酵キリン 追加=皮膚T細胞リンパ腫
(モメロチニブ) ギリアド・サイエンシズ 骨髄線維症
NIK-333(ペレチノイン) 興和 肝細胞がん再発抑制
AVE0005(アフリベルセプト) サノフィ 結腸直腸がん
Z-100 ゼリア新薬 子宮頸がん
「レブラミド」 セルジーン 追加=5番染色体長腕部欠失を伴わない骨髄異形成症候群,未治療の濾胞性リンパ腫,再発又は難治性の低悪性度リンパ腫
(ニモツズマブ) 第一三共 胃がん
(デノスマブ) 第一三共 追加=乳がん術後補助療法
BBI608 大日本住友製薬 胃がん,食道胃接合部がん
TAS-118(テガフール・ギメラシル・オテラシル・ホリナート) 大鵬薬品工業 膵がん,胃がん
「ティーエスワン」 大鵬薬品工業 追加=子宮頸がん
「アドセトリス」 武田薬品工業 追加=成熟型T細胞リンパ腫,ホジキンリンパ腫
MLN9708(イキサゾミブ) 武田薬品工業 多発性骨髄腫
AMG386(トレバナニブ) 武田薬品工業 卵巣がん
「アバスチン」 中外製薬 追加=腎細胞がん
RG7446(アテゾリズマブ) 中外製薬 非小細胞肺がん,膀胱がん,腎細胞がん
「パージェタ」 中外製薬 追加=乳がん術後補助療法,胃がん
「カドサイラ」 中外製薬 追加=乳がん術後補助療法
GA101(オビヌツズマブ) 中外製薬 非ホジキンリンパ腫
「サイラムザ」 日本イーライリリー 追加=大腸がん,肝細胞がん
LY2835219(abemaciclib) 日本イーライリリー 乳がん,非小細胞肺がん
NK105(高分子ミセル化パクリタキセル) 日本化薬 転移・再発乳がん
BKM120 ノバルティスファーマ 乳がん
「アフィニトール」 ノバルティスファーマ 追加=びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫,消化管または肺原発の進行性神経内分泌腫瘍
「アーゼラ」※ ノバルティスファーマ 追加=非ホジキンリンパ腫(再発,抵抗性)
「ヴォトリエント」※ ノバルティスファーマ 追加=腎細胞がん術後補助療法
トラメチニブ,ダブラフェニブ※ ノバルティスファーマ BRAF遺伝子変異陽性悪性黒色腫(術後補助療法)
MEK162 ノバルティスファーマ 悪性黒色腫
LGX818(エンコラフェニブ) ノバルティスファーマ 悪性黒色腫
塩化ラジウム-223 バイエル薬品 追加=骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(他剤併用)
「スチバーガ」 バイエル薬品 追加=肝細胞がん,肝転移切除後の大腸がん
「ネクサバール」 バイエル薬品 追加=乳がん
ITK-1 富士フイルム 前立腺がん
BMS-901608(エロツズマブ) ブリストル・マイヤーズ 多発性骨髄腫
「ヤーボイ」 ブリストル・マイヤーズ 追加=非小細胞肺がん,小細胞肺がん
「ジオトリフ」 ベーリンガーインゲルハイム 追加=頭頸部がん
BIBF1120(ニンテダニブ) ベーリンガーインゲルハイム 大腸がん
BI6727(ボラセルチブ) ベーリンガーインゲルハイム 急性骨髄性白血病
TH-302 メルクセローノ 膵がん
YHI-801(ドキソルビシン) ヤクルト本社 肝臓がん
JNJ-54767414 (ダラツムマブ) ヤンセンファーマ 多発性骨髄腫
JNJ-56021927 (未定) ヤンセンファーマ 前立腺がん
「ザイティガ」 ヤンセンファーマ 追加=前立腺がん

 

 

精神神経疾患治療薬

MEDICAMENT NEWS 第2206号 2015年9月5日

  新規抗てんかん薬が相次いで承認申請
  アンメットニーズ高い領域の薬剤も

 精神神経疾患の主な治療薬の国内開発状況を表にまとめた。
 今年は新規抗てんかん薬の新薬承認申請が相次いだ。
 4月にはビガバトリン(一般名)が販売承認を申請。同剤の適応症は,小児てんかんの中でも極めてまれな「点頭てんかん」。発生率は出生1万件に対して2~5人。過去にも計画はあったが,海外で視野狭窄の副作用報告をきっかけに開発が一旦中止されていた。その後,個人輸入で治療に用いられる時代が続き,関連学会から国内での開発が要望されていた。
 6月にはラコサミド(一般名)が販売承認を申請。適応症は「成人てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法」。
 7月にはペランパネル(一般名)が販売承認を申請した。適応は「てんかんの部分発作及び強直間代発作に対する併用療法」。海外では既に発売されていた日本オリジンの薬剤だけに,国内での登場が待ち望まれていた。

◎アンメットニーズ高い領域でも新薬
 5月には,高用量メコバラミン製剤が新薬承認申請を提出した。適応は「筋萎縮性側索硬化症」。重篤な筋肉の委縮と筋力低下を来たす神経変性疾患であり,アンメットニーズの高い疾患領域だといえる。
 昨年12月に承認申請されたグラチラマー(一般名)は,多発性硬化症の再発予防薬として,海外では最も頻用されている薬剤のひとつ。国内では,厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」から開発要請がなされていた。

主な精神神経疾患治療薬の日本国内開発状況(2015年8月現在,順不同)
注)各社公表資料などから作成。青字はMedicament News(2014年12月15日号)掲載からの進捗または追加。

発売
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 適応症
「エビリファイ」持続性注射剤 大塚製薬 統合失調症

 

適応追加
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 適応症
「ラジカット」 田辺三菱製薬 追加=筋萎縮性側索硬化症
「イクセロン」,「リバスタッチ」 ノバルティスファーマ,
小野薬品工業
用法及び用量の変更(アルツハイマー型認知症)
「ジェイゾロフト」 ファイザー 追加=PTSD(外傷後ストレス障害)
「イーケプラ」 ユーシービージャパン,
大塚製薬
追加=単剤療法(てんかん部分発作) 適応追加

 

申請
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 適応症
(ペランパネル) エーザイ てんかん部分発作/強直間代発作
(高用量メコバラミン) エーザイ 筋萎縮性側索硬化症
「ラミクタール」 グラクソ・スミスクライン 追加=単剤療法(小児の定型欠伸発作)
(ビガバトリン) サノフィ 点頭てんかん
(グラチラマー) 武田薬品工業 多発性硬化症の再発予防
(オクスカルバゼピン) ノーベルファーマ てんかん部分発作
(ベンラファキシン)  ファイザー  うつ病・うつ状態 
(アセナピン)  Meiji Seikaファルマ  統合失調症 
 「レクサプロ」  持田製薬  追加=社会不安障害
「リスパダール」 ヤンセンファーマ 追加=小児期の自閉性障害に伴う易刺激性
(ラコサミド) ユーシービージャパン,
第一三共
てんかん部分発作(二次性全般化発作を含む)
「イーケプラ」 ユーシービージャパン,
大塚製薬
追加=強直間代発作(併用療法)

 

 申請準備中
 開発記号/一般名/「製品名」   開発企業   適応症 
S-877503(グアンファシン) 塩野義製薬 注意欠如/多動性障害

 

 PⅢ
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 作用分類
「セロクエル」 アステラス製薬 追加=双極性障害におけるうつ状態
ABT-SLV187(レボドパ+カルビドパ) アッヴィ 進行期パーキンソン病
MK-8931 MSD アルツハイマー型認知症
OPC-34712(ブレクスピプラゾール) 大塚製薬 統合失調症
「エビリファイ」経口薬 大塚製薬 追加=自閉症
「エビリファイ」持続性注射剤 大塚製薬 追加=双極性障害
「エビリファイ」経口薬 大塚製薬 追加=
アルツハイマー型認知症に伴うアジテーション
Lu AA36143(ナルメフェン)  大塚製薬 アルコール依存症における飲酒量低減
ASC-01(アリピプラゾール+セルトラリン) 大塚製薬 大うつ病
S-877489(リスデキサンフェタミン) 塩野義製薬 注意欠如/多動性障害
KPS-0373(ロバチレリン) キッセイ薬品 脊髄小脳変性症
SM-13496(ルラシドン) 大日本住友製薬 統合失調症,
双極1型障害うつ/双極性障害メンテナンス 
「トレリーフ」   大日本住友製薬  追加=
レビー小体型認知症に伴うパーキンソニズム
「ロナセン」 大日本住友製薬,
日東電工
追加=経皮吸収剤(統合失調症)
「ロナセン」 大日本住友製薬 追加=小児用量(統合失調症)
Lu AA21004(ボルチオキセチン) 武田薬品工業 大うつ病
TVP-1012(ラサジリン) 武田薬品工業 パーキンソン病
MT-4666 田辺三菱製薬 アルツハイマー型認知症
RG1450(ガンテネルマブ) 中外製薬 アルツハイマー型認知症
SA237 中外製薬 視神経脊髄炎
「ベニロン」 帝人ファーマ 追加=
視神経炎,慢性炎症性脱髄性多発根神経炎
LY110140(フルオキセチン) 日本イーライリリー うつ病
LY2062430(ソラネズマブ) 日本イーライリリー アルツハイマー型認知症の進行抑制
LY450190(タダラフィル) 日本イーライリリー デュシェンヌ型筋ジストロフィー
BAF312(シポニモド)   ノバルティスファーマ  多発性硬化症
 「イムセラ」,「ジレニア」  ノバルティスファーマ,
田辺三菱
追加=慢性炎症性脱髄性多発根神経炎 
 「アフィニトール」  ノバルティスファーマ 結節性硬化症に伴うてんかん 
HP-3000(ロピニロール)貼付剤 久光製薬 パーキンソン病
ME2112(ジプラシドン) Meiji Seikaファルマ 統合失調症
「ルボックス」,「デプロメール」 Meiji Seikaファルマ,
アッヴィ
追加=(小児)強迫性障害
R092670(パリペリドン注射剤) ヤンセンファーマ 追加=注射剤(統合失調症)
ucb34714 ユーシービージャパン 部分てんかん

 

 

循環器疾患治療薬

MEDICAMENT NEWS 第2198号 2015年6月15日

   PCSK9阻害薬が承認申請に
 肺動脈性肺高血圧症にも新薬

 開発中の主な循環器疾患治療薬を表に示す(2015年5月現在)。
 アステラス・アムジェン・バイオファーマのAMG145(エボロクマブ)は今年3月に製造販売承認を申請した。同じPCSK9阻害剤としては,国内ではアリロクマブ(第Ⅲ相),ボコシズマブ(第Ⅱ/Ⅲ相),LY3015014(第Ⅱ相)などが開発されているが,これでエボロクマブが一歩リードした形となった。
 バイエル薬品のBAY q6256は昨年12月に製造販売承認を申請した。承認されれば,国内初の吸入型の肺動脈性肺高血圧症治療剤になる。
 ノバルティスファーマのRLX030(セレラキシン)は第Ⅲ相に進展。生体ホルモンの遺伝子組換え製剤で,血管を拡張させる,水分貯留を減少させるなど複数の効果があるほか,心臓と主要な臓器への損傷を低減する可能性を示唆するエビデンスもあるという。
 小野薬品工業の「オノアクト」は,剤型追加(150mg製剤)が今年3月に承認を取得。小児適応(心機能低下例における頻脈性不整脈)の開発が第Ⅱ/Ⅲ相に進展している。

日本国内開発中の主な循環器疾患治療薬(2015年5月現在,順不同)
注)各社公表資料などから作成。青字はMedicament News(2014年12月15日号)掲載からの進捗または追加。

承認
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 作用分類 対象
「アデムパス」 バイエル薬品 可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬 追加=肺動脈性肺高血圧症
「オノアクト」 小野薬品工業 β遮断剤 追加= 150mg製剤(頻脈性不整脈)
「オプスミット」 日本新薬 エンドセリン受容体拮抗薬 肺動脈性肺高血圧症

 

申請中
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 作用分類 対象
AMG145(エボロクマブ) アステラス・ アムジェン・ バイオファーマ 抗PCSK9抗体 脂質異常症
AZD6140(チカグレロル) アストラゼネカ ADP受容体拮抗薬 急性冠症候群
「イグザレルト」 バイエル薬品 Xa因子阻害薬 追加=静脈血栓塞栓症の治療 及び再発抑制
BAY q6256 (イロプロスト吸入剤) バイエル薬品 プロスタサイクリン誘導体 肺動脈性肺高血圧症
「リバロ」 興和 スタチン製剤 追加= 小児家族性高コレステロール 血症
「フローラン」 グラクソ・ スミスクライン プロスタグランジンI2製剤 変更=専用溶解液の変更

 

 申請準備中
 開発記号/一般名/「製品名」   開発企業   作用分類   対象 
NS-304(セレキシパグ)  日本新薬 プロスタサイクリン受容体作動薬 肺動脈性肺高血圧症

 

 PⅢ
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 作用分類 対象
AZD6140(チカグレロル) アストラゼネカ ADP受容体拮抗薬 追加=陳旧性心筋梗塞,末梢動脈疾患,脳梗塞または一過性脳虚血発作
「イグザレルト」 バイエル薬品 Xa因子阻害薬 追加=急性冠症候群,冠動脈疾患または末梢動脈疾患,心不全患者における心血管イベント抑制/塞栓源を特定できない塞栓性脳卒中患者における脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制
K-877(経口剤) 興和 PPAR-αアゴニスト 脂質異常症
「ヴォリブリス」 グラクソ・ スミスクライン 選択的エンドセリンA受容体拮抗薬 追加=小児肺高血圧症, 慢性血栓塞栓性肺高血圧症
タダラフィル錠剤, 経口水性懸濁液 日本 イーライリリー PDE5阻害剤 追加=小児用量 (肺動脈性肺高血圧症)
LY2484595 (エバセトラピブ錠) 日本 イーライリリー CETP阻害剤 主要心血管イベントの 二次抑制
LY2484595 (エバセトラピブ静注) 日本 イーライリリー CETP阻害剤 高コレステロール血症
MK-5348(ボラパキサル) MSD トロンビン受容体拮抗剤 血栓塞栓症
MK-0859(アナセトラピブ) MSD CETP阻害剤 アテローム性動脈硬化症
「エフィエント」 第一三共 抗血小板剤 追加=虚血性脳血管障害
「イラリス」 ノバルティス ファーマ 抗IL-1β抗体 追加= 心筋梗塞後患者における心血管イベントのリスク軽減
「ラジレス」 ノバルティス ファーマ レニン阻害剤 追加=慢性心不全
RLX030(セレラキシン) ノバルティス ファーマ ヒトリラキシン2 急性心不全
SAR236553(アリロクマブ) サノフィ 抗PCSK9抗体 高コレステロール血症

 

 PⅡ/Ⅲ
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 作用分類 対象
「オノアクト」 小野薬品工業 β遮断剤 追加=小児適応(心機能低下例における頻脈性不整脈)
「エリキュース」 ファイザー/ ブリストル・ マイヤーズ Xa因子阻害薬 追加=静脈血栓塞栓症の治療
PF-04950615(ボコシズマブ) ファイザー 抗PCSK9抗体 高コレステロール血症, 家族性高コレステロール血症
「レバチオ」 ファイザー PDE5阻害剤 追加=小児用量 (肺動脈性肺高血圧症)
「セララ」 ファイザー 選択的アルドステロン阻害薬 追加=慢性心不全

 

PⅡ
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 作用分類 対象
BAY1021189 (ベリシグアト) バイエル薬品 可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬 心不全
BAY94-8862 (フィネレノン) バイエル薬品 MR拮抗剤 慢性心不全
「アデムパス」 バイエル薬品 可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激薬 追加=左心不全,特発性間質性肺炎に伴う肺高血圧症
ONO-1162(イバブラジン) 小野薬品工業 Ifチャネル阻害剤 慢性心不全
K-134(経口剤) 興和 PDE3阻害剤 閉塞性動脈硬化症
NS-304(セレキシパグ) 日本新薬 プロスタサイクリン受容体作動薬 慢性血栓塞栓性肺高血圧症, 閉塞性動脈硬化症
LY3015014(注射剤) 日本イーライリリー 抗PCSK9抗体 高コレステロール血症
CS-3150 第一三共 MR拮抗剤 高血圧症
S-556971 塩野義製薬/ 寿製薬 コレステロール吸収阻害剤 脂質異常症
AT-877(ファスジル塩酸塩) 旭化成ファーマ ローキナーゼ阻害剤 肺高血圧症
TY-51924静注 トーアエイヨー 心筋保護剤 急性心筋梗塞
NTC-801 帝人ファーマ   心房細動・粗動

*「対象疾患」欄の一部に,ADP=アデノシン5′-二リン酸,CETP=コレステリルエステル転送蛋白,MR=ミネラロコルチコイド受容体,PCSK9=proprotein convertase subtilisin/kexin type 9,PDE=ホスホジエステラーゼ,PPAR=ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体

 

感染症治療薬

MEDICAMENT NEWS 第2197号 2015年6月5日

 C型慢性肝炎の新薬開発が正念場に
 新しい抗菌薬の開発も順調に進展

 感染症(細菌,真菌,ウイルス)の主な治療薬の国内開発状況(2015年5月現在)を表にまとめた。
 ギリアド・サイエンシズの「ソバルディ錠」は「ジェノタイプ2型C型慢性肝炎」を適応症に,今年3月に製造販売承認を取得。ブリストル・マイヤーズの「ダクルインザ錠」及び「スンベプラカプセル」は,今年3月に「インターフェロンを含む治療法に適格の未治療患者及び前治療再燃患者」の追加適応を取得し,インターフェロンの治療歴に関わらず,全てのジェノタイプ1型C型慢性肝炎患者に対して両剤が使用できることになった。
 アッヴィ合同会社の経口抗ウイルス剤(3剤配合経口剤)は,ジェノタイプ1型C型慢性肝炎を適応症に,今年2月に製造販売承認を申請した。
 第一三共の「クラビット」注射剤は呼吸器感染症に次いで多い,尿路・外科・婦人科感染症による適応拡大申請を昨年11月に実施,現在は審査中。  杏林製薬のKRP-AM1977Xは,呼吸器領域(市中肺炎)及び耳鼻咽喉科領域(副鼻腔炎)を対象とした国内第Ⅲ相試験を今年4月から開始した。
 富山化学工業のT-4288(ソリスロマイシン)は今年1月より国内第Ⅱ相試験を開始した。マクロライドに耐性の肺炎球菌,マイコプラズマに対する強い抗菌活性と,比較的高い免疫調整作用(抗炎症作用)が期待できるという。
 ヤンセンファーマのTMC207(ベダキリンフマル酸塩)は今年3月に第Ⅱ相に進展。多剤耐性結核に対する切り札として期待されている。

日本国内開発中の主な感染症治療薬(2015年5月現在,順不同)
注)各社公表資料などから作成。青字はMedicament News(2014年11月25日号)掲載からの進捗または追加。

承認
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 作用分類 対象
「ソバルディ錠」 ギリアド・ サイエンシズ NS5Bポリメラーゼ阻害剤 ジェノタイプ2型C型慢性肝炎
「デュアック配合ゲル」 グラクソ・ スミスクライン リンコマイシン系抗菌薬・ 酸化剤 尋常性ざ瘡
「オルドレブ点滴静注」 グラクソ・ スミスクライン ポリペプチド系抗菌薬 多剤耐性菌による各種感染症
「ダクルインザ錠」 ブリストル・ マイヤーズ NS5A阻害剤 変更= ジェノタイプ1型C型慢性肝炎
「スンベプラカプセル」 ブリストル・ マイヤーズ NS3/4Aプロテアーゼ阻害剤 変更= ジェノタイプ1型C型慢性肝炎
「トリーメク配合錠」 ヴィーブ ヘルスケア インテグラーゼ阻害薬/ ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬 HIV感染症
「ベピオゲル」 マルホ 酸化剤 尋常性ざ瘡

 

申請中
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 作用分類 対象
オムビタスビル/ パリタプレビル/ リトナビル アッヴィ 合同会社 NS5A阻害剤/ プロテアーゼ阻害剤 ジェノタイプ1型C型慢性肝炎
ソホスブビル/ レジパスビル ギリアド・ サイエンシズ NS5Bポリメラーゼ阻害剤/ NS5A阻害剤 ジェノタイプ1型C型慢性肝炎
「クラバモックス」 グラクソ・ スミスクライン ペニシリン系抗菌薬 追加=急性副鼻腔炎
「クラビット点滴静注」 第一三共 ニューキノロン系抗菌薬 追加= 尿路・外科・婦人科感染症
「クラビット」 第一三共 ニューキノロン系抗菌薬 追加= 肺結核及びその他の結核症
「ゾシン」 大鵬薬品工業 抗菌薬 追加=発熱性好中球減少症
「シプロキサン」 バイエル薬品 ニューキノロン系抗菌薬 【用法・用量変更】重症感染症 【適応追加】小児に対する尿路感染症及び嚢胞性線維症
UK-109,496 (ボリコナゾール) ファイザー アゾール系抗真菌薬 追加=造血幹細胞移植における深在性真菌症予防
UK-49,858 (フルコナゾール) ファイザー アゾール系抗真菌薬 追加=膣カンジダ症
M5120 (オゼノキサシン外用剤) マルホ キノロン系抗菌薬 ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの),表在性皮膚感染症

 

 申請準備中
 開発記号/一般名/「製品名」   開発企業   作用分類   対象 
エルビテグラビル/ コビシスタット/ エムトリシタビン/ テノホビルアラフェナミド配合錠 日本たばこ産業 インテグラーゼ阻害剤/ 逆転写酵素阻害剤 HIV感染症
エムトリシタビン/ テノホビルアラフェナミド配合錠 日本たばこ産業 逆転写酵素阻害剤 HIV感染症

 

 PⅢ
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 作用分類 対象
MK-3415A (actoxumab/bezlotoxumab) MSD ヒトモノクローナル抗体 クロストリジウム・ ディフィシル感染
MK-5592(ポサコナゾール) MSD アゾール系抗真菌薬 真菌感染症
フィダキソマイシン アステラス製薬 マクロライド系抗菌薬 感染性腸炎 (適応菌種:クロストリジウム・ディフィシル)
CAZ-AVI (セフタジジム/アビバクタム) アストラゼネカ βラクタマーゼ阻害薬/ セファロスポリン系抗菌薬 肺炎,複雑性膀胱炎
KRP-AM1977X(経口剤) 杏林製薬 キノロン系抗菌薬 細菌感染症
ザナミビル注射剤 グラクソ・ スミスクライン ノイラミニダーゼ阻害剤 インフルエンザ
「テラビック」 田辺三菱製薬 NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬 追加=インターフェロンβ併用(C型慢性肝炎)
アミカシン吸入剤 バイエル薬品 アミノグリコシド系抗菌薬 肺炎
BAY1192631(テディゾリド) バイエル薬品 オキサゾリジノン系抗菌薬 皮膚・軟部組織感染症
ダクラタスビル/ アスナプレビル/ BMS-791325 ブリストル・ マイヤーズ NS5A阻害剤/ プロテアーゼ阻害剤/ ポリメラーゼ阻害剤 C型慢性肝炎
M5220 マルホ 抗ヘルペスウイルス剤 帯状疱疹,単純疱疹

 

PⅡ
開発記号/一般名/「製品名」 開発企業 作用分類 対象
MK-5172/MK-8742 (grazoprevir/elbasvir) MSD NS3/4A プロテアーゼ抑制剤/NS5A阻害剤 C型肝炎
KRP-AM1977Y(注射剤) 杏林製薬 キノロン系抗菌薬 細菌感染症
S-649266(注射剤) 塩野義製薬 セフェム系抗菌薬 重症細菌感染症
T-4288 (ソリスロマイシン)  富山化学工業 マクロライド系抗菌薬 細菌感染症
「ベセルナ」 持田製薬 免疫調整剤 追加=尋常性疣贅
 TMC207 (ベダキリンフマル酸塩) ヤンセンファーマ 抗結核剤 多剤耐性結核